糖尿病は自覚症状がほとんどありません。ただし、かなり進行した場合に、尿の量と回数が多くなるなどの症状があらわれることがあります。
検査と診断
糖尿病かどうかを調べるには検査を行います。採血を行って血糖値とHbA1cを測定し、これらの値が基準値を超えていれば糖尿病と診断します(詳細は下図参照)。糖尿病は自覚症状がないことが多いので、定期的に検査を受けることが早期発見・早期治療の近道です。特に、
・口渇などの自覚症状のある人
・過去に血糖値が高いと言われたことがある人
・糖尿病の家族歴がある人
・肥満やメタボリックシンドロームの人
は、いま一度お近くの医療機関で検査を受けることをおすすめします。
糖尿病の診断方法
検査項目 |
検査値 |
①空腹時血糖値 |
126mg/dL以上 |
(①~③のいずれかが見られた場合)
血糖値の糖尿病型 |
②ブドウ糖負荷2時間血糖値※1 |
200mg/dL以上 |
③随時血糖値※2 |
200mg/dL以上 |
④HbA1c※3 |
6.5%以上 |
HbA1cの糖尿病型 |
 |
糖尿病治療ガイド(日本糖尿病学会編・著 2020-2021) を参考に作成
合併症
そのまま治療せずにいると、やがて細い血管や末梢神経が悪い影響を受け、糖尿病の3大合併症(糖尿病網膜症・糖尿病腎症・糖尿病神経障害)を引き起こします。
いずれもただちに命にかかわる病気ではないものの、発症すると日常生活に大きな支障をきたします。
3大合併症と、その症状は次の通りです。
①糖尿病網膜症
網膜にある細い血管に障害が起こることで視力が低下します。
最悪の場合、失明に至ることもあります。
②糖尿病腎症
腎臓にある細い血管に障害が起こることで腎臓の働きが弱くなり、体の老廃物の処理がうまくできなくなります。
進行すると透析が必要になります。
③糖尿病神経障害
末梢神経に障害を起こし、足のしびれや感覚の麻痺などを起こします。
痛い、熱いという感覚が失われるのでケガやヤケドに気付かず、そのまま放置しておくとやがて壊疽(えそ)を起こし、最悪の場合は足を切断しなければなりません(→糖尿病神経障害って?)。
いっぽう太い血管に悪い影響が及ぶと、動脈硬化が起こり、脳梗塞や心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症などの命にかかわる病気を発症する危険性が高まるとされています。