
フレイルと食事
フレイルリスクを知ろう
フレイルとは、健康と要介護の間の状態を指します。
体や心の身体的、精神的な働きや、社会的なつながりが弱くなった状態です。
心身等ダメージを受けたときに回復できる力や、ストレスに対しての抵抗力が弱くなり、放置すると生活機能障害・要介護、死亡などの危険性が高くなります。
フレイルは、体重減少、疲れやすさの自覚、活動量の低下、歩行速度の低下、筋力低下の5項目のうち3項目以上に該当することによって、診断されます。

フレイルリスクのチェック
ご自身がフレイル状態かどうか、下記のリストでチェックできます。
主に食生活については、Q6までをみてみましょう。
↓で示した図の右側にチェックがついた場合は、フレイルリスクに留意しましょう。

食生活以外の部分では、Q7以降の項目があります。
心身の状態以外に、フレイル予防には社会的なつながりも必要といわれています。
↓で示した図の右側にチェックがついた場合は、フレイルリスクに留意しましょう。

野菜でサポート、フレイル予防
食べてフレイルを予防するには次の3つを意識しましょう
- 3食しっかり摂りましょう
- 1日2回以上、主食・主菜・副菜を組み合わせて食べましょう
- いろいろな食品を食べましょう
必要な栄養素をまんべんなくとるためには、多様な食品や料理を食べることが重要です。

たんぱく質をとりましょう
たんぱく質は筋肉や骨、内臓、皮膚など、体の主要な構成要素を作るために不可欠です。
肉、魚、卵、乳製品等の動物性たんぱく質や豆類等の植物性たんぱく質を組み合わせ、1食あたり2~3品を取り入れるよう心がけましょう。

野菜をとりましょう
食事で摂った、たんぱく質を筋肉やエネルギーにしていく活動を、野菜に含まれるビタミン等が助けます。
また、骨の健康を保つためにもビタミンは重要であり、骨折のリスクを減少させます。この他にも、食品に含まれるさまざまな物質が健康づくりをサポートします。

野菜のある食事は、見た目にも美しく、食欲をそそります。
季節ごとの野菜を取り入れることで、食事に彩りや変化をもたらします。
野菜を多く食べることでフレイル発症のリスク低減も期待できるという報告もあります*1。

さいごに:フレイル予防の3つのポイント
フレイル予防は日々の習慣と結びついています。
栄養、身体活動(運動)、社会参加を見直すことで活力に満ちた日々を送りましょう。
- 栄養:食事の改善 バランスのとれた食事を3食しっかり、お口の健康にも気を配りましょう。
- 身体活動:運動が筋肉の発達だけでなく、食欲や心の健康にも影響します。今より10分多く体を動かしましょう。
- 社会参加:趣味やボランティアなどで外出することはフレイル予防に有効です。自分に合った活動をみつけましょう。

- 出典
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- 令和元年度食事摂取基準を活用した高齢者のフレイル予防事業 パンフレット「食べて元気にフレイル予防」(厚生労働省)
(https://www.mhlw.go.jp/content/000620854.pdf)を加工して作成 - e-ヘルスネット 栄養・食生活 賢く食べるためのコツ 野菜、食べていますか?(厚生労働省)
(https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-03-015)を加工して作成 - *1 Garcia-Esquinas E, et al. Am J Clin Nutr 2016; 104(1):132-142.
- 令和元年度食事摂取基準を活用した高齢者のフレイル予防事業 パンフレット「食べて元気にフレイル予防」(厚生労働省)
(2025年5月作成)