広い庭がなくても、プランターを使えばベランダなどの限られたスペースで気軽に家庭菜園を始めることができます。
プランター栽培を始めるにあたって何を準備したらいいのか︖ どんなプランターや土を選んだらいいのか︖ など初心者の疑問にお答えし、おいしい野菜や果物を育てるポイントをご紹介します。
プランター菜園を始めるにあたって
プランター︓素材は素焼きやプラスチック製、陶器などがあります。サイズ(横幅・深さ)は野菜や果物の種類や品種に合わせて選びましょう。
鉢底石︓水はけを良くするためにプランターの底に敷きます。
土︓初心者には、あらかじめブレンドされた培養土がおすすめ。プランターの縁から5cm程度下まで入れましょう。
肥料︓野菜や果物の成長を促し、おいしくしたり実を大きくしたりします。元肥や追肥など、栽培中のタイミングに合わせて施します。
ハサミ︓摘芯や収穫時などに使います。
スコップ︓土を掘ったりすくったり、植え付けなどに使います。
ジョウロ︓水やりに使います。
水やり
土の表面が乾いたら、鉢の底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与えます。夏場は早朝に、冬場はお昼頃までに終わらせましょう。
置き場所
プランターをエアコンの室外機の上や周りに置くと、熱や風によって土が乾燥しやすくなるため避けましょう。
その他の注意点と対策
せっかく育てた野菜や果物を鳥に食べられてしまうことがあります。特に、マメ科の野菜や甘い実のつく野菜や果物などは鳥に好まれるため、プランターにはネットをかぶせておくことをおすすめします。
夏場の作業は気温の高い時間帯を避け、一度の作業時間は短めにして、水分補給も忘れずに。また、通気性の良い素材の服と、つばが広めの帽子を着用しましょう。
プランターで上手に育てるポイント
プランターで野菜や果物を上手に育てるには、苗の選び方やプランターのサイズ、土の作り方などいくつかのポイントがあります。
初心者には、あらかじめブレンドされた培養土を用い、種から育てるよりも購入した苗を植え付けることをおすすめします。
プランターの素材の種類や大きさはさまざまですが、育てる野菜や果物の種類や品種に適したものを選ぶのが重要です。
プランターで物足りなくなった方は、畑での栽培にチャレンジしてみましょう。ご自宅に庭がある場合は有効活用して、そうでない場合は貸し農園を利用する方法もあります。
苗の状態や栽培日数をチェック
初心者には、種から育てるよりも園芸店やホームセンターなどで販売されている苗を植え付けるのがおすすめです。苗を購入する際には、株がグラグラするものは避け、みずみずしく張りのあるものを選びましょう。葉に虫がついていないか、表だけでなく裏側も忘れずにチェックしましょう。
同じ野菜や果物でも、収穫までの期間が短い「早生」、ゆっくり育つ「晩生」などが用意されている品種があります。早生は栽培期間が短く、病害虫の被害を受けにくいため、初心者にもおすすめです。一方、晩生は栽培期間が長い分、より大きな野菜や果物をたくさん収穫できる傾向にあります。それぞれにメリットがありますから、それらを考慮してご自分に合う品種を選びましょう。
おすすめのプランターサイズ
野菜や果物をうまく育てる上でどんなプランターを選ぶかは、とても重要です。鉢の大きさは「号」という単位で表しますが、 プランターの場合は横幅の長さが容量の目安になります。家庭菜園で用いられる一般的な形状は長方形、サイズは小型(横幅20~40cm)、 標準型(横幅60~65cm)、大型(横幅80cm以上)、深型(横幅・深さ35cm以上)の4種類です。栽培するものによって最適なプランターサイズは変わってきます。
横幅20~40cm
ラディッシュやハーブ類などの枝が長く伸びないもの
横幅60~65cm
ほうれん草などの葉物野菜・サヤインゲン、シソ、ニラなどの野菜で、収穫までの期間が短いもの
横幅80cm以上
ナスやピーマンなど実をつける野菜で、収穫までの期間が長いもの
横幅・深さ35cm以上
キュウリやミニトマトなどの大型野菜や土の中で実が成長するもの
排水性もプランターによって異なります。底の側面に排水穴がついているスリットプランターは、適度な排水性があるため初心者におすすめ。素材としては、素焼きタイプが排水性、通気性ともに優れています。プラスチック製は、水やり後の根腐れに注意が必要ですが、軽くて運びやすい利点があります。
プランター用の良い土の作り方
通気性が良く、排水性と保水性、肥料分を保つ保肥性があり、病気の菌や害虫の卵、雑草の種などが混じっていないものが良い土といえます。初心者には、赤玉土や黒土、たい肥などが最適な比率でブレンドされた市販の培養土がおすすめですが、手作りも可能です。材料をそろえて混ぜるだけなので、どなたでも簡単にチャレンジできます。
【プランター用培養土の作り方】
赤玉土(小粒)、黒土、完熟たい肥をおおよそ2︓1︓2の比率で混ぜ合わせる(自然素材で湿り具合や密度が異なるため、混ぜ合わせながら調整する)。
良く混ぜ合わせた土を握ってみて、軽く固まってホロっと崩れるくらいが良い状態。さらさらし過ぎている場合は黒土を少しと、たい肥を多めに加え、ギュッと固まって軽く崩れない場合は赤玉土を少しと、たい肥を多めに加えて調整する。
基本のブレンド土ができたら、くん炭と肥料を加えてさらに混ぜる。