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毎日の食事で健康を支える

病気(パーキンソン病など)や薬の副作用、
ケガ等によって手指が使いづらい方向けに、
簡単に作れる時短レシピや調理の工夫などの
コラムを掲載

包丁いらず

カット済食材、缶詰などを活用して
包丁&まな板を使わないでかんたんに。

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にんにく香る 豚肉と豆苗のしょうゆ炒め

レシピ名 にんにく香る 豚肉と豆苗のしょうゆ炒め

調理時間 15分以内

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にらたっぷり 棒餃子

レシピ名 にらたっぷり 棒餃子

調理時間 15分以内

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ツナとしめじの炊き込みごはん

レシピ名 ツナとしめじの炊き込みごはん

調理時間 5分以内

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Column コラム

包丁いらず

手指の動作がしづらいときの
お役立ち調理アイデア7選

監修: おいしい健康 管理栄養士
ケガやパーキンソン病などの疾患、薬の副作用などで手が使いづらくなり、日常生活に支障が出てしまうと、毎日の食事作りは大きな負担になってしまう場合もあります。スーパーのお惣菜やテイクアウトに頼るのはもちろん、食事作りの負担を減らすちょっとしたアイデアも取り入れてみましょう。

手をスムーズに動かせないと食事作りのハードルが上がる

調理のなかで特に大変なのは、「切る」工程です。包丁を使うときは、片方の手で包丁を握り、もう片方の手で食材を押さえる必要があります。片手だけで包丁を使うと刃先がすべったりずれたりして、とても危険。
また、火を使う工程もハードルが高めです。
両手鍋は扱いにくく、鍋が重いと運ぶのが大変。フライパンで炒めものをするときは、片手ではしっかり混ぜ合わせることが難しい場合もあります。揚げものは、片手しか使えないときはやけどの心配が。無理をせず、揚げものはお惣菜、冷凍食品を買うなど、上手に手を抜くことも大切です。
手が使いづらいときに食事を作る際は、準備段階から調理まで、いろいろ工夫をしてみましょう。

こんな手もある調理のアイデア

では具体的にどの工程に工夫の余地があるのでしょうか。

その「ちぎる」「すくう」包丁を使わないという発想を

包丁を使わなくても食材を切ることは可能です。例えば、切らずにちぎる。レタスやキャベツといったやわらかい葉物野菜なら、包丁で切るよりもちぎるほうがラク。一口大にちぎって料理に使ってみましょう。また、豆腐は切らずにスプーンですくっても大丈夫です。

その電子レンジで加熱してから「切る」「つぶす」「裂く」

かぼちゃやいも類は、ラップに包んで電子レンジで加熱して、やわらかくしてから調理してみましょう。フォークなどでつぶしやすく、また、力を入れずにスッと切ることもできます。なすは加熱するとかんたんに裂けるので、そのままサラダにするのもおすすめです。
野菜の下ごしらえは「ゆでる」ことが多いですが、手が思うように使えないときは、お湯を沸かしたり湯切りをしたりする工程が負担に感じることも。電子レンジなら手間をかけずに短時間で加熱ができ、切ったりつぶしたりする工程がよりラクになります。

そのカット野菜や缶詰は、切る必要がないのも魅力

手が使いづらいと、使いやすい食材に偏ってしまい、食事の内容がマンネリ化することも。そんなときは、カット野菜や缶詰を活用すれば、料理がバラエティ豊かになります。カット野菜と缶詰を具にしてスープにするのも手軽。缶詰が開けづらい方は、オープナーを使用しましょう。思うように手が使えないと気分が下がりがちですが、加工品を活用することで調理の手間が少なくなれば、食事はぐっと楽しくなりそうです。ふだんあまり使わない人も、ぜひ使ってみてはいかがでしょう。

そのこんなときこそ乾物の出番。軽くて扱いやすく便利です

家に常備していることの多い乾物は、調理しづらいときの救世主でもあります。ひじきや乾燥わかめ、一口高野豆腐など、切らずに使えるものは特に便利。乾物はどれも重量が軽いので、ケガや病気のときの買い物にも助かります。乾物はミネラルなどの栄養価が高いものが多いので、ふだんから取り入れたいものです。

そのほうれん草より小松菜。下ごしらえがかんたんな食材選びもポイント

調理の工程はなるべく省略したいものです。
例えばアク抜き。ほうれん草は栄養価が高く手に入りやすい食材ですが、アクがあるため下ゆでをするのが基本です。一方、同じ葉野菜の小松菜は、アク抜きが不要。料理でほうれん草を使うところを小松菜で代用すると食事作りが少しラクになります。またブロッコリーは、野菜の中でもビタミンCや食物繊維などの栄養素が豊富ですが、房に分ける工程が手間です。市販の冷凍のもので代用するなど、臨機応変に対応しましょう。

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ブロッコリー

冷凍ブロッコリーは、小房に分けられているので便利です。

その買い物の量・重さを抑えるのも、ひとつの知恵です

体が思うように動かないときは、買い物も重労働です。
いつものように重たいものを持てないので、重さや大きさはネックになります。乾物はとても軽量なので買い物がスムーズ。食材を選ぶときは、重さやカサ、量などもイメージしながら購入するのがいいですね。どうしても買い物に行くのが大変な場合は、ネット注文や宅配サービスを活用するのもひとつの手です。

その片手で肉や魚も切れるのがキッチンバサミ

食品を切ることを想定して作られているキッチンバサミ。韓国料理屋で、店員さんが鍋に入った肉をハサミで豪快に切るところを見たことがある方もいるでしょう。キッチンバサミは、厚い肉や魚、もちろん野菜など、いろいろな食材をジョキジョキ切ることができます。使うシーンはさまざまで、肉や魚は調理中の鍋やフライパンのなかで切ってもいいのです。またボウルに食材を入れれば、食材がある程度固定されるのでハサミを入れやすく、切りやすくもなります。キッチンバサミなら片手だけで食材を切ることができるので、手が使えないときに非常に便利ですし、まな板など洗い物が減るのでふだんから重宝します。

突然のケガや病気で手を思うように動かせなくなったときも、食事をしっかりととって栄養を摂ることは大事ですよね。お惣菜やお弁当を買ってもよいのですが、食費が気になるところ。少しでも調理のアイデアを知っておけば、食事がもっと豊かになるはずです。キッチンバサミをはじめ、ほかの調理道具もうまく活用して、調理や食事を楽しんでいきましょう。

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小松菜

食材をボウルにとってみると、食材があちこちに逃げずに切りやすくなります。

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鋏を使う

鶏肉をキッチンバサミで小さく切っているところ。片手しか使えないときは、まな板のうえで包丁を使って肉を切るのはすべってとても危険です。生の肉をキッチンバサミで切るのもすべってうまく切れないことも。肉を鍋に入れ、調理をしているときにキッチンバサミを使うと、すべらずに簡単に切ることができます。

監修:おいしい健康 管理栄養士

(2025年3月作成)