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合併症の検査

糖尿病合併症の検査の種類

糖尿病性神経障害1)

末梢神経伝導検査

合併症の1つである「神経障害」を調べる検査です(図1)。微弱電流で末梢神経を刺激して神経を興奮させ、興奮が伝わる速さを測定します。足がつる・両方の足裏にしびれや痛み・感覚が鈍いなどの症状がある場合に行います。

図1:末梢神経伝導検査(イメージ図)
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末梢神経伝導検査

糖尿病網膜症1)

眼底検査

合併症の1つである「網膜症」を調べる検査(図2)で、眼底鏡で網膜の状態を確認します。目の合併症は自覚症状が出にくいため、気付かないうちに病気が進行している場合があります。糖尿病と診断されたら必ず眼科を受診し、定期的な診察と検査で目を大切に守りましょう。

図2:眼底検査(イメージ図)
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眼底検査

糖尿病性腎症1,2)

尿中のアルブミン排泄量測定

早期の「糖尿病性腎症」を発見するために、尿中の微量のアルブミン(タンパク)を、高感度の検査法で見つけだすものです。
アルブミンはタンパク質の1つで、通常、尿中では見つかりません。尿中にアルブミンが見つかる場合は腎臓に障害がある可能性があります。

血液中のクレアチニン値測定

実際の腎機能低下の程度を把握するには、血液中のクレアチニンの量を測定します。血中クレアチニン値を年齢や性別で調整した「eGFR(推算糸球体ろ過量)」という値が腎機能の指標になります。
クレアチニンはタンパク質が分解・代謝されてできた老廃物で、 通常は尿中に排泄されますが、腎機能が低下すると排泄できず血液中に増えてきます。

  • 日本糖尿病学会 編・著: 糖尿病治療ガイド2022-2023. 文光堂, p85, 90, 97, 2022
  • 糖尿病ネットワーク: 腎症 https://dm-net.co.jp/seminar/14/index_2.php(閲覧日:2023年12月13日)

監修:東京大学医学部附属病院 糖尿病・代謝内科

教授 山内 敏正 先生

(2024年3月作成)