シックデイの状態1,2)
糖尿病のある方が治療中に感染症などによる発熱、下痢、嘔吐や食欲不振をきたし、そのために食事がとれない状態をシックデイと呼びます(図1)。
- 高齢の方はシックデイに陥りやすいといわれています。
- 高齢の方はシックデイの際に脱水になりやすいといわれています。
- シックデイの間は、血糖マネジメントが良好でも著しい高血糖や代謝異常に陥ることがあります。そのため、特別な注意が必要です。
図1:シックデイのときの主な症状
画像
![発熱](/sites/default/files/diabetes_2/img/img-diabetes_2-fever.png)
発熱
画像
![下痢](/sites/default/files/diabetes_2/img/img-diabetes_2-diarrhea.png)
下痢
画像
![嘔吐](/sites/default/files/diabetes_2/img/img-diabetes_2-vomiting.png)
嘔吐
画像
![腹痛](/sites/default/files/diabetes_2/img/img-diabetes_2-abdominal_pain.png)
腹痛
画像
![咳・風邪](/sites/default/files/diabetes_2/img/img-diabetes_2-cough.png)
咳・風邪
シックデイの対応1,2)
水分と食事(炭水化物)を摂りましょう。
1.主治医への連絡 | シックデイの時には、主治医に連絡し指示を受けるようにします。 |
---|---|
2.受診 | 発熱、消化器症状が強い時は必ず医療機関を受診します。 |
3.検査 | 尿中ケトン体を測定します(尿ケトン体が強陽性の場合、早急な入院加療が必要です)。 血糖値の動きを3~4時間に1回ずつ測定します(血糖値が350mg/dL以上持続すると、早急な入院加療が必要です)。 |
4.薬物治療に関すること | インスリン治療は自己判断で中断しないでください。 ビグアナイド薬とSGLT2阻害薬の服薬は中止しましょう。 インスリン分泌促進薬は食事の摂取状況に応じて減量、中止の判断があります。 シックデイ時のお薬の量について必ず主治医とご相談ください。 |
5.食事療法に関すること | 十分な水分を摂り脱水を防ぎましょう(病院では点滴にて生理食塩水など1~1.5L/日の補給もできます)。 絶食しないようにしましょう。 食欲のないときは、日ごろ食べ慣れていて口当たりや消化の良い食物※をできるだけ摂りましょう。 おかゆ、スープ、ジュースなど |
画像
![シックデイ時の水分摂取の方法、お薬の飲み方、 緊急時の受診などについて、普段から主治医と 相談しておきましょう!](/sites/default/files/diabetes_2/img/img-diabetes_2-sick_day_0.png)
- 日本糖尿病学会 編・著: 糖尿病治療ガイド2022-2023. 文光堂, p100-101, 2022
- 日本糖尿病学会・日本老年医学会 編・著: 高齢者糖尿病治療ガイド2021. 文光堂, p73, 75-76, 2021に基づき作成
監修:東京大学医学部附属病院 糖尿病・代謝内科
教授 山内 敏正 先生