全身の細胞やその他の臓器と血管でつながっている心臓と腎臓
心臓は、収縮と拡張を繰り返しながら全身に血液をおくり出すポンプの役割を担っています。
血液は血管を通って、肺で酸素を取り込み、肝臓で栄養分を取り込んで全身の細胞におくり届けます。反対に、細胞に溜まった二酸化炭素や老廃物などを細胞から抜き取ります。
この仕組みが働くには、血液がスムーズに流れること、老廃物などがからだの外に排泄されることが必要です。
血液を全身へおくり出すのが心臓、血液中の不要なものを尿としてからだの外に出すのが腎臓です。そして、心臓と腎臓を結びつけているのが血管です(図1)1)。
- Ronco C, et al. Eur Heart J. 2010;31(6):703-711. を参考に作成
心臓と腎臓にダメージを与える可能性がある高血圧・糖尿病・脂質異常
心臓・腎臓・血管は、ホルモンや神経系などとも相互に関連しながらコントロールされていて、それぞれが影響しあっています。
血糖値や、LDL-コレステロール値が高くなると(脂質異常の一つ)、血管が硬くなったり詰まったりして、血液が血管の中を流れにくくなることがあります。そこで、心臓というポンプは、血圧を上げて、より強い力で血液を全身におくり出そうとしますが、血圧が上がると心臓に負担がかかります。
また、血圧や血糖値が高い状態が続くと、腎臓にも負担がかかり、腎臓の機能が徐々に低下してしまうことがあります。そうなると、尿の量が減り、血液の量が増えてしまうことから、血圧が上がり、さらに心臓にかかる負担が増えてしまいます。
このように、血圧・LDL-コレステロール値・血糖値の上昇は、時間をかけて心臓と腎臓に負担をかけ続けることになり、心不全や慢性腎臓病(CKD)といった病気を招く原因となってしまいます(図2)1)。
- Ronco C, et al. Eur Heart J. 2010;31(6):703-711. を参考に作成
- Ronco C, et al. Eur Heart J. 2010;31(6):703-711.