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慢性腎臓病(CKD)の薬物治療

薬物治療の目的

慢性腎臓病(CKD)の治療の目的は、2つあります。
一つめは、腎機能の低下を防ぎ、慢性腎臓病(CKD)の進行を遅らせて、末期腎不全にならないようにすることです1,2)
二つめは、心血管病が新規に発症することを抑え、すでに発症した心血管病はその進行を阻止することです。慢性腎臓病(CKD)は心血管病と関連があることが知られており、慢性腎臓病(CKD)の治療によって心血管病の新規発症や進行を抑えます1,2)
腎機能の低下を防ぎ、合併症を抑えるために、必要に応じて薬物による治療が行われます。

慢性腎臓病(CKD)の薬物治療とは

慢性腎臓病(CKD)の原因は、腎臓そのものの異常や障害のほか、糖尿病や高血圧、自己免疫が引き金になるなど、さまざまです。薬物治療はそれらの原因に対して行われる場合や、慢性腎臓病(CKD)が進行したときに現れた症状に対して行われる場合があります2)
そのため、処方されるお薬は一人ひとり違います。腎臓の状態や合併症、日々の生活のリズムによってもお薬の内容が変わってきます。ご自身やご家族が慢性腎臓病(CKD)と診断されている場合の具体的な治療内容は、主治医にご相談・ご確認ください。また、飲んでいる薬についてわからないことがあれば主治医や薬剤師にご相談ください。

薬物治療の注意点

  • お薬を処方されたら、用法・用量を守りましょう。自分の判断で中止したり、服用する量や回数を増減したりするのはやめましょう。服用を忘れたときは、主治医や薬剤師に相談しましょう。
  • お薬を服用後、からだによくない変化が現れた場合や気になる症状が出た場合は、まず主治医に相談しましょう。
  • お薬の一部は、腎臓を経由して尿中に排泄されます。腎機能の低下により排泄がうまくいかなくなると、お薬が効き過ぎたり、副作用が現れやすくなったりする可能性があります3)。そのため、これまで服用していたお薬を変更または中止することがあります3)
  • 市販薬やサプリメント、健康食品には現在服用しているお薬やからだに影響を与える成分が含まれている場合があります3)。使用にあたっては、必ず主治医や薬剤師に相談しましょう。
画像
薬
  • 日本腎臓学会編:CKD診療ガイド2012.東京医学社,2012
  • 日本腎臓病薬物療法学会編:腎臓病薬物療法ガイドブック 腎臓病薬物療法専門・認定薬剤師テキスト 第2版.じほう,2022
  • 日本腎臓病協会監修:腎臓病療養指導士のためのCKD指導ガイドブック.東京医学社,2021

(2023年11月作成)