心不全

監修:広島大学 名誉教授 / 神戸市立医療センター中央市民病院 病院長 木原 康樹 先生

心不全って?

まずは知っておきたい!心臓には2つの大切な役割があります

心臓は生きるために必要な血液を循環させるポンプの働きをしていて、血液は酸素と栄養をからだのすみずみにまで運びます。その心臓という名のポンプには2つの大切な役割があります。

①血液を送り出す役割
血液をからだのすみずみに送り出すには、十分な量の血液が心臓というポンプの中に満たされていることが必要です。

②血液を受け取る役割
心臓は、血液を送り出したのち、再び心臓に戻ってくる 血液を受け取ります。つまり、ポンプとしての心臓を通過 する血液は、心臓を起点に全身を循環しているのです。

心臓というポンプは、このどちらの役割が失われても、からだに支障をきたします。

心不全とはこんな状態です

「心不全」とは、心臓のポンプ機能が低下した状態のことです。心不全は、悪化させないように生活習慣に気をつけて症状とうまく付き合っていくことが大切です。

高血圧、心筋梗塞、心筋症、弁膜症など、さまざまな原因で心臓のポンプ機能が低下します。心機能の低下は心臓の大切な役割を失わせてしまうため、内臓に水分がたまり、「息切れ」「むくみ」といった症状が現れます。

症状が急激に悪化する状態を「急性心不全」と呼び、ふだんは特に症状がなくても無理をしたときなどに症状が悪化する状態を「慢性心不全」と呼んでいます。