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心臓リハビリテーション

心臓リハビリテーション1)って何ですか

心臓リハビリテーションが大切な理由

心臓リハビリテーション(心臓リハビリ)とは、心臓病の再発を予防するために、医師、看護師、薬剤師、理学療法士、栄養士など医療の専門職が集まり、患者さんご自身およびご家族の疾病理解、運動療法、再発危険因子の管理などを支援する取り組みです。
心臓リハビリは、心臓病の患者さんが、体力を回復して自信を取り戻し、快適な家庭生活や社会生活に復帰するとともに、再発や再入院を防ぐことをめざして行う総合的な活動プログラムです。心臓病の治療とともに心臓リハビリを続けていくと、息切れやむくみなどの症状が軽くなり、心臓全体の状態が改善して心不全による再入院が減ることがわかってきました。心臓リハビリでは主に運動療法と食事療法(指導)を行います。

運動療法と食事療法の目的

  • 心臓病の発症予防
  • 心臓病の原因になる、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの改善
  • サルコペニアやフレイルの予防
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サイクリングのイラスト

心不全の再発予防に向けて、運動療法に取り組みましょう

適切な運動と食事は血管を柔らかくし、動脈硬化の進展を抑え、自律神経の働きを改善することで心臓が楽に働ける環境作りを行うことができます。
特に運動療法は、心不全による再入院の予防に効果的であるため、心不全で入院された方は入院中だけではなく、退院後も継続して行っていきしょう。退院後3か月間のうちに、週1回でも外来心臓リハビリに参加すると、生活の質(QOL)が向上することも報告されていますので、退院後はできるだけ週1回以上、外来心臓リハビリに参加しましょう。
どうしても外来心臓リハビリに通院を続けることが難しい場合は、担当医に相談し、在宅運動療法についての指導を受け、週3~5回ご自身で行っていただくことになります。その場合でも、月1回は外来心臓リハビリに参加して、病状や運動療法の内容について専門職のチェックを受けましょう。

心臓リハビリでは、なぜ食事療法が必要なのでしょうか?

肥満があると、それだけで心臓に負担がかかります。肥満あるいは肥満傾向の方は、食べ過ぎなどによるエネルギーの摂り過ぎを減らし、肥満を是正する必要があります。減量することで、血圧が下がり、血糖値や血清脂質値がコントロールされます。
また、シニア世代は活動量の低下により、食欲が減退し、健康なからだを維持するために必要な栄養素が足りない低栄養という状態に陥りがちです。全身の栄養状態が悪いと、心臓そのものに大きな負担がかかり、病気が進行したり、治療に時間がかかるなどの影響が出てきます。低栄養は、筋肉量や筋力が落ちるサルコペニア、心身の機能が低下して虚弱となるフレイルという状態を起こしやすくなります。

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元気も出ず運動不足に、、、

(2023年11月作成)