心不全と生涯付き合っていくために
心不全を悪化させないために
心不全は症状の悪化を繰り返しながら進展することがあるため、症状がよくなっても、生涯付き合っていく必要があります。心不全の進展を防ぐためには、患者さんご自身の治療に対する積極的な参加や取り組みが不可欠です。まずは、自分の病気をよく知り、ご家族やかかりつけの先生(主治医)、地域のサポートなど、時には周りの力を借りて、うまく付き合っていくことが大切です。
寝たきりにならないための心がけ
もう一度、今までの生活を振り返ってみましょう!そして、自分にあった心不全との上手な付き合い方を考えましょう!
- 普段の生活で心不全を悪化させる原因は何だろう?(「薬物治療を始めたら」参照)
- 心不全と上手に付き合うための自己管理ができているのか?(「慢性心不全といわれたら」参照)
これらを意識して生活を送ることが、心不全とうまく付き合うための第一歩です。
心不全の悪化を見逃さないように、確認しましょう
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体重測定
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血圧測定
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むくみ・息切れの確認
私たちのからだのこと
私たちのからだは、心臓や腎臓、肝臓、すい臓、消化管などの臓器や、それらをコントロールする脳がバランスを保ちながら働くことで、正常な状態に保たれています。これらがどれか1つでも異常をきたすと、バランスが崩れて、思わぬところに異常があらわれます。この異常は、すぐにあらわれる場合と、数年、数十年と長い年月をかけてゆっくり進行し、ある日突然、致命的な症状となってあらわれる場合があります。たとえば、健康診断で検査の数値が高くなり始めたら、これらに関係する臓器のバランスが崩れ始めたサインかもしれません。こういったサインは信号が黄色になった状態です。赤信号に変わる前に、生活改善を意識していきましょう!
日本循環器学会(編集):心不全療養指導士認定試験ガイドブック改訂第2版, 南江堂, 2022.
大石醒悟ほか(編集):心不全治療薬の考え方,使い方, 中外医学社, 2019, pp241-246.
日本心不全学会『心不全手帳』(2022年10月 第3版)
小室一成:よくわかる最新医学「心不全」, 主婦の友社, 2021, pp30-35, 62-79, 84-91.