心臓リハビリテーション(心臓リハビリ)における食事療法1)
食事療法のポイント
軽症の慢性心不全(中等度以上の労作でどうき・息切れなどの症状が出る)の患者さんに、日常生活でお役立ていただける「食事療法」を紹介します。食事療法は患者さんご自身とご家族が協力して取り組んでいただく必要があります。心臓が弱っている時の食事は、全身の栄養状態を良好に保つことが重要です。からだは食べることでしか栄養を摂ることができません。まずはバランスよくきちんと食べることを意識しましょう。
バランスのよい食事を心がける
1日3回、毎食「主食・主菜・副菜」をそろえて食べることで、からだに必要な栄養素を過不足なく摂り入れることができます。
塩分と水分は指示量を守る
塩分を摂り過ぎると、からだの中に水分をため込みやすくなります。からだの中の水分量が増えると、高血圧やむくみの原因となり、心臓に負担をかけてしまいます。塩分は1日6g2)を目標にしましょう。
減塩の工夫
- 汁物は1日1杯までにして、麺類の汁は残しましょう。
- 漬物や梅干し、佃煮などは控えましょう。
- 調味料のかけ過ぎに注意して、減塩調味料も取り入れてみましょう。
- 日本食品標準成分表2020年版(八訂)を基に算出
栄養状態を良好に保つ
心不全を悪化させないためには、よい栄養状態を保つことが大切です。特に、たんぱく質は不足しないように摂取することが重要です。主菜として毎食摂取することが理想ですが、それでも不足する場合は、間食として摂ることや、料理を工夫して摂ることが必要です。
- 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(JCS/JACR2021年改訂版)2022年12月20日更新
https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/03/JCS2021_Makita.pdf(2023年9月参照)を参考に作成 - 日本人の食事摂取基準2020年版(厚生労働省)